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■伊東 清先生が逝去されました。たくさんの学生に古典芸能、名人芸の真髄を伝え、自らもずっと精力的に創作活動に打ち込まれていらっしゃいました。

さまざまにマスコミ配信されていますが、舞台美術家 伊東 清先生が、6月29日に逝去されました。略歴を記します。日本テレビ『笑点』の美術を担当され、また、八代目林家正蔵師(※後に林家彦六)と固い信頼の絆で結ばれ、一方、日本大学藝術学部を中心にたくさんの学生を育てた方です。多岐に渡って活躍されました。

伊東 清(いとう きよし)
1933年7月 東京生まれ
1957年3月 日本大学藝術学部演劇科・舞台美術専攻卒
1957年4月 日本テレビ放送網株式会社入社。「熱中時代」「笑点」等の美術デザインを担当
1969年5月 八代目林家正蔵 正本芝居噺「新助市五郎(原の郷の捕り物)」の美術を担当。以後<正本芝居噺>の美術を担当
1972年8月 日本大学藝術学部講師
1979年9月 同人誌「雑」同人になる。以後、落語・語り物・芝居等の脚本を発表
1993年8月 日本テレビ放送網株式会社を定年退職。後、フリー・デザイナー、日本大学藝術学部講師、日本舞台テレビ美術家協会会員、日本放送作家協会会員としても活躍。女子美術大学、日本工学院でも、教鞭をとる。

気さくで面倒見の良い、たくさんの学生に愛された先生でした。
日藝生には、伊東先生の「大衆芸能研究」は、“宝”でした。
近年は、シルバー世代向けのセミナーも担当。
著書『八代目林家正蔵 正本芝居噺考』(三一書房)、『彦六からの手紙』(三一書房)ほか。「笑点カレンダー」のデザインを担当されたのも伊東先生です。

1995年6月に制定された、林家彦六賞の運営委員長も務められました。
林家彦六賞は、弊誌高田編集長も運営委員を務める、落語家を顕彰する賞。
この賞は、林家彦六師と伊東先生の密接な関係があって、そして彦六師の芝居噺の記録映画の興行収益を元手に制定された訳ですが、この詳細については、2001年発行の『笑芸人vol.4』の林家彦六特集で、伊東先生に原稿を頂いて居ります。こちらを抜粋して掲載します。

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正蔵師匠と芝居噺と… 文◎伊東清 2001年

 私が林家彦六(八代目・林家正蔵)師匠に初めてお逢いしたのは、昭和31年の8月の新宿末広亭の上席(1日~10日)の頃だったと思います。というのは師匠は「夏には幹部の人達が『夏は暑くて』と寄席に出たがらない」からと毎年お得意の道具入りの怪談噺を持って各寄席で演じていました。
 当時私は大学の4年生で舞台美術を専攻しており、卒業論文のテーマも決まっておりましたが、大道具を使い歌舞伎の台詞廻しで演じられる正本芝居噺を初めて観て、舞台美術を勉強中の落語好きな私にとっては引かれるものがあり、卒業論文のテーマは「これしかない」と大学に圓朝研究家の永井啓夫先生がいらしたので、師匠を紹介して頂いて稲荷町の長屋に伺ったのでした。後にマスコミや評論家の人達から、「あんな恐い師匠のところによく行ったね」と言われましたが、「恐い」とか「大師匠」だとか言う観念は全くなくただ「どうして寄席にこういう舞台装置を使うものがあるのか」と言う思いだけでした。当時、落語の研究書は少なく、まして正本芝居噺に関するものは全く無いに等しいものでした。ですから長屋に伺って師匠に話を聞くしかなかったのです。師匠には花柳衛彦さんという日本舞踊の息子さんがいらっしゃいます。この息子さんが、私と同い年だとお聞きし、私はその前年の二月に父を亡くしておりましたので「息子さんと同い年なら、私にとっても父親なのだ」と勝手な理屈をつけ、亡くなるまで父親でもあり、師匠でもあり又人生の師匠だとも思っておりました。
 昭和44年の春頃だったと思います。師匠が「道具が大分古くなってきたので伊東さん、新しい絵を描いてくれませんか」と言われました。演目は〈新助市五郎(原の郷の捕物)〉でした。卒業して日本テレビでセット・デザインの仕事をしていましたが、長屋に度々お邪魔しては、社会人としてのこと仕事のこと、例えば「定期券を見せる時には立ち止まって見せなさい」とか「後からいい仕事がきても、先にきた仕事を大事にしなさい」とかいろいろなお話は伺ってはいたのですが、「絵を描いてくれませんか」と言うことは、私のデザインした道具の前で師匠が演じる、師匠と同じ高座に私も居る。こんな嬉しいことはありません。長屋にはいろんな人が見えますが、道具の仕掛けなどは普通の人に話しても通じないので、あまり芝居噺のことは話さなかったようです。それをきっかけとして芝居噺独特の道具の仕掛け、寸法、絵を描く時のバランスなどを教えてくださり、その後〈鰍沢〉などの絵も描かせていただき、「芝居噺のことは伊東さんに任せてありますから」と、身内同様にしてくださいました。さて「下絵が出来たのでお届けします」と言ったら、「これは私がお願いしたものですから、私がお宅に伺います」と言って二、三回自宅まで見えたのですが、後には稲荷町と自宅との中間の私の職場、日本テレビでお渡しするようになりました。けれども、昭和50年頃から、もう年齢的にも華やかな芝居噺をやる資格もないし、未だお弟子さんが居ない頃は、道具を積んだ大八車を着物の裾を端折って後押ししたおカミさんの健康上の問題等で、 芝居噺を中止したいと考えられましたが、昭和50年度の、芸術選奨文部科学大臣賞受賞の対象が「長年芝居噺に尽力し」と言うことだったので止めるに止められなかったのでした。しかし私が新しい道具作りのお手伝いをさせていただいてから「師匠が元気になった」とおカミさんに言われた時は嬉しかった。師匠はよく「私には若い友人が居てくれます」と言っていました。と言うよりは師匠が若い人達の中に居てくれたのではないかと思います。大学の落語研究会で出演をお願いしたとき、出演料をお渡しすると「失礼します」と言って中の金額を改めてから「貴方たちが払う金額ではありません」と学生に見合う金額だけ受け取られていました。そのような師匠とおカミさんに敬愛の念を込めて〈林家彦六賞〉〈岡本マキ賞〉を制定しました。正本芝居噺は圓朝から末弟子の一朝老に、そして彦六から末弟子の林家正雀にと、最後の弟子から最後の弟子へとぎりぎりのところで演じ続けられている芸なのです。去年の8月に〈三遊亭圓朝没百年〉に因み〈八代目林家正蔵・正本芝居噺展〉を谷中のギャラリー工で開き、初音ホールでは〈正本芝居噺・三遊亭圓朝作 真景累ヶ淵・水門の場〉を林家正雀さんに口演してもらい、多くの方々の心の中に師匠が正本芝居噺にかけた情熱の足跡を、留めておいて頂けたものだと思っております。
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同書は、残念ながら現在絶版です。この林家彦六賞の歴代受賞者や経緯については、現在、同賞の運営委員である大友浩氏のブログでも詳細に綴られています。
よろしければ、下記のアドレスにアクセスしてください。
http://www.radiodays.jp/genre/show_column/3?column_id=161

日本大学藝術学部 落語研究会の初代メンバー。
ですから『落語ファン倶楽部』高田文夫編集長や、故・古今亭右朝師の先輩にあたります。
『笑芸人』『落語ファン倶楽部』の作業でも、たくさんお世話になりました。
ありがとうございます。

この記事が、たくさんの日藝生ほか、伊東先生の教え子の皆さんに届けと切に願っています。

マスコミ配信された訃報はこちらです。
葬儀・告別式は7月7日東京都渋谷区西原2の42の1、代々幡斎場で執り行われました。喪主は長男雅司(まさし)氏。
伊東RIMG0293

伊東RIMG0296

せんせ01
写真╱落語ファン倶楽部編集部
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立川志の輔╱圓生師匠は憧れの存在、圓生落語は閃きの源です
立川談春╱何をやっても上手い。それが圓生なんです
柳亭市馬╱間に合ってたら、いろんな唄を教わってたでしょうに
立川志らく╱実は、人情噺より滑稽噺の方が好きだったのでは…
柳家三三╱圓生師匠の人情噺ほど会話の妙を感じさせてくれるものはない
古今亭菊之丞╱何かにつけてたよりになるのが圓生全集
瀧川鯉昇╱軽い噺で照れ隠しの「てへっ」あのいたずらっぽさが大好き
三遊亭遊雀╱落語家歴は二十年ですが圓生歴はまだ一年なんです
立川生志╱『文七元結』における時間経過の繊細な描写に刮目!
三遊亭白鳥╱『札所の霊験』に俺の悲惨な思い出がシンクロ!
柳家喬太郎╱ 型から入って内面にいってリアルなのが三遊亭
三遊亭圓丈╱直弟子が明かす、三遊亭の芸の伝承
三遊亭圓楽╱天下の圓生、我が師匠

圓生グラフ╱「圓生代々」矢野誠一╱圓生自ら、十八番を語る
╱プライド高き江戸の華 圓生語録╱圓生の遺した原稿「にわか真打ちを叱る」(1978年8月『文藝春秋』)╱川柳川柳  圓生しくじり噺╱「ドキュメント御前口演」圓生と劇作家・宇野信夫の挑戦╱圓生 音盤リスト
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春風亭昇太 独占激白インタビュー「SWA五周年の超真実!!」
╱徹底密着レポート「柳昇チルドレンの会しょの2」


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【今号のふろくCD】
スペシャルトラック
●古今亭志ん朝真打昇進披露口上~
志ん朝高座『明烏』さわり
(昭和37年3月 上野鈴本演芸場)ニッポン放送『演芸くらぶ』より
司会/八代目林家正蔵 口上/八代目桂文楽 十代目金原亭馬生

プレミアムボーナストラック 
東西人間国宝そろいぶみ
●桂ざこば襲名披露口上 司会/二代目桂枝雀 口上/三代目桂米朝 五代目柳家小さん
(昭和63年4月 芸術座)TBSラジオ『早起き名人会』

落語大ネタ十八番勝負
志の輔×談春 大ネタ大対談
立川流の両雄が、大ネタを軸に、互いが目指すべき落語の頂点について語り合った!
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現役プレイヤーが語り下ろす、とっておきの大ネタ噺

子別れ╱笑福亭鶴瓶 柳家喬太郎
明烏╱三遊亭楽太郎 林家たい平
大工調べ╱三遊亭小遊三 立川志らく
文七元結╱立川談春 春風亭昇太 
長屋の花見╱瀧川鯉昇 柳亭市馬 
三軒長屋╱古今亭志ん五 柳家三三
らくだ╱笑福亭鶴瓶 三遊亭白鳥
抜け雀╱古今亭志ん五 立川志の輔
宿屋の仇討╱柳亭市馬 三遊亭遊雀
死神╱柳家小三治 立川志の輔
居残り佐平次╱柳家小満ん 立川談春
火焔太鼓╱橘家圓蔵 立川志らく 
牡丹灯籠╱立川志の輔 柳家喬太郎
幾代餅╱古今亭菊之丞 紺屋高尾╱立川生志
芝浜╱林家たい平 立川談春

(昭和と平成大ネタ聴き比べ)
富久╱八代目桂文楽 三遊亭白鳥
掛取万歳╱三遊亭圓生 柳亭市馬
お見立て╱古今亭志ん朝 春風亭昇太
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08年11月 東西落語家現勢図
「六代目圓楽を襲名」三遊亭楽太郎インタビュー
本誌独占・徹底密着レポート 「立川流 三人の会2」(08年9月29日)
覆面座談会 
祝! 五代目桂米團治襲名スペシャルインタビュー

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